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2006年07月26日

やせ我慢

 今日はとても暑かった。聞くところによると,広島県ではここ府中市が最も暑く,三十四度あったそうだ。

 普段,何もない時は事務所にいて,現代の利器の恩恵にあずかっている身であるが,時折(と言うよりしょっちゅう)タバコを吸いにベランダに出ると,これがまた暑いと言うより湿気が重くのしかかってくる感じで,まるでバリ島などの南国地帯モンスーン地帯に居るかのような錯覚を覚えるほどであった。

 こんな暑い日にお客さまからコールがかかると,もう大変である。さも平気な顔と声色でお客さまの必死の切なる訴えを聞き,優しく導く仕事をしているのだから,やせ我慢の達人になれると思う。この「やせ我慢」と言うのが結構重要で,これを通過しないと人間,仕事においては三流を抜け出せないと自覚しており,過去数名のスタッフが当社の飯を食べて行ったけれど,美しくやせ我慢をしている人は私を含めていなかったわけである。

 やせ我慢も限界に達すると開き直りの境地になって,そのうち「あぁ,おれはこのお客さんと心中する事になるかも知れない」とか酔狂の世界を演じてくるわけである。

 しかし,この酔いが醒めると,実はお客さんからして不抜の存在になっていたりするから,なまじ悪い話ではない。私の事を不満に思っていても,文句を言いつつそれでもなぜか「何とかしろ!」とか怒られるわけである。こうなってくると,もうマゾヒズムを地で行っていることになる。私もそれがないと生きていられない気持ちになるので,あぁ,そうか,わかった,仕事と言うのは,だから中毒になるのだと。