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一連の事件に思う

 先日村上ファンドの代表が逮捕されました。逮捕前に異例の記者会見を行なうなど,色々とパフォーマンスを行ないました。

 当社の有る府中市は2005年の夏に郵政問題をかかげた衆議院選挙で自民党を離脱された亀井静香代議士のいわゆる刺客としてホリエモンこと堀江貴文氏が立候補をして全国的にミーハーな注目を集めた場所であります。

 村上さんの言うことを聞いていますと,生意気な事を言うようですが,

●世間知らずの(苦労知らず?)人間が行き場がなくなって(または自分が人から認められなくて)発している断末魔に近い

と言う感じがします。それは確かに,ご苦労もあったでしょうし,私なんかより,ずっと仕事はされているとは思います。僕自身もほとんど仕事漬けではありますが,それは自分の段取りと言うか,能力が低いからであって,能力をもっと高めれば効率良く仕事をできるようになれば別の事もしてみたいと思ってます。

 あの人の言うことの完全な欠点は以下の通りだと思います。

●お金を儲ける事がそんなに悪い事ですか?
 →だれもそんなこと言ってません,やり方が悪いと言ってるだけです。論点をぼかさないでください。
●私が嫌われるのは,稼ぎすぎたから
 →完全な視野狭窄に陥っていると思います

 お金を基準にものを考えると,完全に自己矛盾に陥ります。株主利益優先と言いますが,ご本人も言われている通り,外資や出資者のプレッシャーに負けただけです。確かに今回のきっかけのインサイダーは,微妙なところで,つい陥ってしまう誘惑ではありますけれども,本当にイカン!と思えば,出資者からそっぽを向かれたり告訴されてしまうかも判りませんが,それに対して毅然と(自分の信念として)守り通す決意(熱意)が欠けていたのでしょう。

 しかし,堀江氏よりは優秀です。私が悪いと言ってますから。
 私は,人間は事情はどうあれ失敗や間違いを犯したり,誘惑にはまりやすいと思ってますから,人間にとって最も重要なのは「ありがとう」よりも「ごめんなさい」が言えるかどうかだと思っています。自分に良くしてもらって「ありがとう」と言うのは誰でもできますよ。

 選挙の時にも堀江氏の事を冷めた目で見ていた私ですが,いまだに社会的な責任を考慮できず,自分の問題としてこだわり続けている堀江に言いたい。

●本当に反省しているのだったら,持っている資産を基金にして出資者に少しづつ返済するか,教育または福祉基金化しなさい
 →その上で,自分は無罪だと主張しろ

 だいたい,株式と言うのは,その会社のやっている内容や方向性に社会的意義や可能性を期待して「その会社のために協力しましょう」と言う,出資側も受ける側も一種の義侠心で成り立っているものだと思います。それが欠落した宝くじのような今の株式市場に家庭の主婦が「きゃーきゃー」言うのは当然かな。
 たとえばみんながみんな出資者になって実動部隊がいなくなったらどうするんだ。って,それはありえないか。金を出す人は働く人に敬意と感謝の念が必要なのでは?それを考えるとオーナー社長の皆さまは苦労が絶えないですよね・・・

 敵対的買収と言うのは,競争相手に対して正当にルールを守って行なうもので,ちょっとお金を持っているからと言って「ゆすり」「たかり」で行なうものではありません。